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2007年12月21日

伊藤園の本庄八郎社長に「優先株」と「緑茶戦略」を聞く

伊藤園<2593>(東証1部)本庄八郎社長に聞く

hon01.jpg「日本で優先株が認知されることは間違いないとの思いで第1号として実施しました。配当は普通株の年38円に対し年48円です。12月10日から貸借銘柄にも採用されました」

2012年4月期に連結売上高5000億円目標

―東京証券取引所が今年9月3日に種類株市場を創設しました。御社はその第一号として「優先株」を上場され、まもなく5ヶ月ですが。

本庄社長
 優先株には議決権はありませんが、今4月期の配当は普通株の年38円を上回る年48円ですが、第一号ということで認知度がまだ低いという印象です。

―しかも12月10日から優先株が貸借銘柄に採用されましたが、異例の速さでは。

本庄社長
 そうですね、通常は早くて6ヶ月程度と聞いていますが、3ヶ月で採用となったことは取引所の優先株に対する前向きの姿勢だろうと思います。

―海外では優先株は利回りが高いことから個人投資家の間で人気のようです。今後、わが国でも増えると思われますが、第一号での反応はいかがですか。

本庄社長
 上場企業さんから当社のIR部署に問い合わせは多いようです。関心は強いですね。優先株の上場銘柄数が2ケタになるのは遠くないと思います。


7月の低温、8月の猛暑と気温差に振り回されたが
10月中間期は予定通り増収増益


―ところで、今年は猛暑でしたが、10月中間期(07年5〜10月)の特徴を教えて下さい。

伊藤園のホームページ本庄社長
 飲料業界は気温の影響を大きく受けますが、今年は7月の気温が低く8月は猛烈に暑く気温差の激しい夏でした。予想数字は常に上回るよう努力し実際これまでは予想を上回ってきましたが、中間期は予想通りの増収(9.5%)、増益(営業益3.8%)で、ちょっと残念です。7月の低温の影響と中国の食品問題の影響から野菜ジュースの減少(2.7%)が響きました。

―気温との関係をもう少し詳しくお願いします。

本庄社長
 数量ベースで申し上げますと5月は13.5%増、6月も9.1%増と出足は良かったのですが、7月は3.0%増まで伸び率が低下しました。8月は13.2%増と好調でしたが、7月の伸びの小さかったのが響きました。しかし、同じ期間の飲料市場全体の伸びと比べますと、業界の5月の伸び7%増、6月2%増、7月2%増、8月7%増に対し当社の伸びは業界平均より高い状況にあります。

―ということは御社のシェアが高くなっていることでしょうか。

本庄社長
 アップしています。今年1〜10月のデータですが当社の緑茶飲料のシェアは34%と前年(年間)に比べ2ポイントアップしています。これは過去最高のシェア、99年の36%にほぼ肩を並べるものです。


緑茶飲料の原料産地表示義務化で
『おーいお茶はいい畑から、国産茶葉100%』の戦略発揮


―緑茶飲料の競争は激しくなっているのでは。

本庄社長
 競争の激しくなることは緑茶市場が活性化しますので当社としては歓迎です。とくに、当社は今後さらに原料面の強さを発揮することができます。2007年10月より改正加工食品品質表示基準によって、緑茶飲料の原料産地表示が義務化され2年間の移行期間を設け09年10月より完全施行となります。当社は、「おーいお茶はいい畑から、国産茶葉100%」の戦略をいっそういっそう強化し取り組んでいきす。2005年には当社の荒茶(形を整える前の段階)取り扱いは2万557トンでしたが、2007年見込みでは2万2350トンと増加し、国内荒茶生産量の24%を占めることになります。

―2万2350トンの内、最終工程までの加工を必要としない飲料用(カン、ペットボトル入り)はどの程度ですか。

本庄社長
 8000トン強です。急須などで茶葉にお湯を注いで飲む場合は形を綺麗に整えなくてはいけませんが、飲料用ではすべての製造工程は必要ありませんから飲料用が増えるほどコストが下がります。

―荒茶の手当ての強さがあるのですね。

本庄社長
 そうです。鹿児島県曽於地区、宮崎県都城地区、長崎県西海地区、大分県臼杵・杵築地区など九州において遊休地の有効活用による大規模茶園開拓に取り組んできましたし、現在も取り組んでいますので原料調達面での優位性があります。お茶は静岡が圧倒的と思われているでしょうが、現在では荒茶生産量は静岡4万トン、九州約3万4000トンと遜色ないところまで来ています。
 とくに、畑に茶の実を植えてから収穫までには最低5年かかりますので早くから原料面に力を入れてきた強さが当社にはあります。日本にはなお休耕田などの遊休地が埼玉県の広さに匹敵する39万町歩ありますので、地方の雇用創出にも役立ちますので非続き茶畑への開拓を進めていきます。

―優先株の公募増資を実施されましたが。

本庄社長
 荒茶の工場を5工場建設します。この資金が約10億円、これまでタリーズ本社の入っていたビルの家賃が大幅値上げを要求されましたので、探していたところ希望の物件がありましたのでビル購入資金に18億5500万円などに充当するためです。

―中期計画についてお願いします。

本庄社長
 2012年4月期に連結売上高5000億円、ブランド育成として1000万ケース超の年間販売ブランドを5つにする、ROA10%、1株利益を普通株で160円、優先株で175円、配当性向40%です。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:33 | IRインタビュー
2007年08月14日

日本インタビュ新聞社は国内初のリアルタイムによるオンラインIRセミナーを開催

視聴者特典付きのリアルタイムオンラインIRセミナーを開催(GMOホスティング&セキュリティ)

リアルタイムによるオンライン個人投資家向けIRセミナー (株)日本インタビュ新聞社はオンライン上で、リアルタイムによる「オンライン個人投資家向けIRセミナー」を開催する。これまでは、主要都市のホールや会議室などで開催するIR説明会が主流だったが、オンライン上でのリアルタイム放送は日本全国の投資家が自宅やオフィスに居ながらにして視聴できるのが特徴。放映内容の再放送も行う。
 個人投資家による上場企業へのIRに対する関心が高まっていることを背景に、今後は株式講演会などと合わせた講演会の他、同社の特徴でもあるエンターテイメント的な要素を含んだ、楽しめて役立つ講演会の開催も推進して行く。

 3月6日(木)は、GMOホスティング&セキュリティ(3788・東マ)・代表取締役社長の青山満氏が「電子認証サービスの世界展開」について講演する。19:30から入室が可能で20:00から21:00まで開催する。視聴は無料だが事前登録が必要。先着200名が同時に視聴アクセス可能となっている画期的なシステムで登録者専用のURLを発行する。視聴者には特典として「投資に役立つ株式レポート」をメール配信する。

◆日時 2008年3月6日(木)20:00〜21:00
◆会場 オンライン上(事前申し込み)
◆内容 「電子認証サービスの世界展開について」
    GMOホスティング&セキュリティ
    代表取締役社長 青山満 氏
◆参加者特典=「株式市場の見通しと今話題の注目5銘柄」
◆主催 株式会社 日本インタビュ新聞社
(詳細・申し込み)
http://www.media-ir.com/mediairpress/seminar/20080306.html
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:26 | IRインタビュー
2007年07月25日

インフォメーションクリエーティブの山田 亨 社長に聞く

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山田 亨 社長に聞く

山田 亨 社長 インフォメーションクリエーティブ(4769・ジャスダック)は来年、会社設立30周年を迎える。ソフト開発のIT系企業の中では歴史を誇る。多くのIT系がバブル崩壊で破綻したなかで、同社は幅広い業種との取引きと、「ソフト開発」と「システム運用管理」のバランス取れた事業を展開することで着実な業績を上げてきた。日本インタビュ新聞社の媒体を通して、「同社社長に聞きたいこと」と題したアンケートを実施したところ、事業内容、今後の展望、そして増配期待など多くの質問をいただいた。投資家の質問をもとに同社の山田亨社長へインタビューした。

「顧客密着型」のシステム開発とシステム運用で
着実な発展、今期1株利益67円へ


―投資家の皆さんから、御社への質問が多数寄せられていますので、よろしくお願いします。まず最初に社名について、どのような思いが込められていますか、という質問がありました。この点からお聞かせください。
(山田社長)
『情報を創造していく』という意味です。今ではポピュラーな言葉ですが、斎藤・現会長が1978年に会社を設立された当時は、まだIT(情報技術)のハシリの頃でしたから、当時としては斬新な社名だったと聞いています。IC、LSIという言葉も使われ始めた頃でしたから、IC・LSIという意味合いも含まれています。

―会長は、日立製作所のご出身と聞いていますが。
(山田社長)
日立製作所の子会社で、コンピューターの運用管理を行う事業部隊で日本ビジネスコンサルタントの出身です。後に、日立情報システムズになった会社です。当時、コンピューターのソフトはありましたが、それに比べオペレーターが不足している状況でしたから、この点に注目して技術者の派遣を行うことを目的に当社が設立となりました。

―日立との関係を知りたいという、かなりたくさんの質問が寄せられていますが、この点はいかがでしょうか。
(山田社長)
日立製作所さんとは、資本関係も人的関係もありません。日立グループ企業とは22、23社と、それぞれで取り引きいただいていますので、日立グループということでは多いですね。当社の売上の50%程度になります。

―事業内容にについての質問も多かったのですが、分かりやすくお願いします。
(山田社長)
大きくは2つの事業からなっています。高い成長をもたらす「ソフト開発」と、経営の安定性をもたらす「システム運用管理」です。今9月期の3月中間期の実績で申し上げれば、全体の売上高29億4900万円、営業利益3億1900万円の内、「ソフト開発」で売上13億4900万円、営業利益2億6800万円、「システム運用」で売上10億700万円、営業利益1億8300万円の構成です。

―会社設立が1978年2月といことで来年は30周年ですね。ベンチャーの多いIT企業の中では歴史がおありですが、バブル崩壊の時の影響はございませんでしたか。
(山田社長)
たしかにバブル崩壊の影響で経営破綻したソフト会社はありました。金融機関の第3次オンライン化でソフト開発中心に需要は多かったのですが、バブル崩壊では不動産価格の下落による金融機関の痛手が大きかったため、金融機関中心に事業を展開していたところは影響を多く受けました。当社の場合、金融に特化せず、しかもソフト開発とシステム運用管理の比率をほぼ半々でやってきたことがよかったと思います。

―非常に堅実な経営ということですね。
(山田社長)
そうですね。信頼を重視した堅実さは当社の基本としているところです。とくに、システム運用管理では相手企業さんのシステム室、電算室へオペレーターが常駐して、現場と一緒にやっていくため信用を第一にしています。われわれのビジネスモデルは、この信用をベースとした「顧客密着型」の体制にあり、同時にわれわれの強さにもなっています。信頼関係が厚いと取引きは安定して続きますから、売上げは安定した伸びが見込めます。

―取引先ということでは、日立グループも入れて全体ではどの程度ですか。
(山田社長)
だいたい100社程度です。金融、通信もありますが、製造系が多いのも特徴です。

―今後の方向としてはどのように取組んでいかれますか。
(山田社長)
平成20年度までの中期計画の重点施策である「既存事業分野の選択と集中による付加価値向上」、「プロダクトソリューションを次期主要事業に育成」、「プロジェクトマネージャーの育成」の3つを掲げて取り組んでいます。とくにプロダクトソリューションについては、自社製のパッケージソフトの販売を育成していきますが、『チケットfor Windows』の販売は順調に推移しています。理容美容向けASPサービス『サロンキーパーコーマ』の販売は機能強化対策のため遅れがでていますが、まもなく本格化の見通しです。

―今9月期の連結見通しをお願いします。
(山田社長)
売上高は4・3%増の60億5000万円、営業利益26・6%増の5億900万円、経常利益18・1%増の4億9600万円の見通しです。とくに、経常利益率は8・2%(前期7・2%)に向上します。

―20円配当へ増配を期待される声も強いのですが。
(山田社長)
今の時点では18円配当を継続の予定です。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:37 | IRインタビュー
2007年06月18日

アクセス<4700>(ジャスダック上場)の北 博之社長に聞く

『再生元年』へ全社結集
「創業者」から「蘇業者」に


akuseru1.jpg 長い歴史の企業がトップ交代によって突然変異のように変身を遂げていくケースを目の当たりにしてきた。山内溥氏が社長着任以降の任天堂鰍ェまさにそれだ。創業以来の「かるた・トランプ・花札」からの方向転換は文字通り「創業→蘇業へ」の第一歩であった。ここに取り上げた企業は赤字続きだが「独自のコア技術・PLANET」を有する潟Aクセス(4700・JQ)である。大変身への可能性を秘めた企業の一つであろう。昨年8月、創業者から社長の座を譲り受けた北 博之氏は「本社ビル売却」という大きな財産を得て、社内改革に全社一丸で取り組んできた結果、企業文化・社内風土の刷新が昨年一杯で成り、ここに『アクセス再生元年』プランが『実行あるのみ』の段階に突入したのだ。とりわけ北社長は「事業ポートフォリオの見直し(PLANETへの経営資源集中)、新組織体制への変更(SI開発体制からソリューション開発への移行)、また当面の経営目標として『今期黒転必達』『ストックビジネスの拡大』『営業体制強化』」を強調した。今回の『IRインタビュー』は北社長との数次の取材と社内幹部との接触話を含めながら一問一答のかたちに再構成することとした。社長以下経営幹部はじめオール・アクセスが「心の結集」につながっていくならば、冒頭に述べた「創業から蘇業」(会社を生まれ変わらせる)への大事業が成功するはずである。まず、「会社を後世にのこす」という強い意志を持つ。その上で「株主・経営陣・従業員・OB・取引先・地域」が『三方よし精神』に結集することからはじまる。(インタビュアと再構成は「編集工房サンナカジマ」主宰中嶋俊治)


●企業文化を刷新・事業戦略の転換

akuseru2.jpg―このIRインタビューの前にも続けてお会いできました。取材を重ねるにつれ「これは世間に広く知らせる必要がある」と思いましたね。すぐれた持てる技術なり、経営資源が、あらぬ風聞によって、生かされないままポシャッてしまっては大変だ、と。
 北 その通りなんです。村上(次男)前社長から、本社ビル売却という大英断を戴きましたから。「この会社を再生するには、まず財務面の大掃除が不可欠」と私自身も提言しておりましたから、有難かったですね。

―まず『社内改革ありき』というのが北新社長就任以来の大命題でしたからね。
 北 「また達成できなかった」の風土が定着してしまっていた。前向きな姿勢、意見が出にくい。決して村上批判と言うことではなくて、全社が創業者に頼りきり過ぎていたという反省の上に立たねばならない「企業文化、社内風土をつくり直そう!」とただ一点の目的のために取り組んできたわけです。昨年末で一応終了。

―大切ですね。企業文化、社内風土というのは。
 北 先ほど「一応終了」と申しましたが、文字通り「一応」であって、完全に確立するというのは、容易なことではないと思っています。しかし時間をかけてでもこれは、やっておかねばなりません。

―自分の会社がどれだけ『すぐれもの』を有しているか、を徹底して知らなくては。たとえば北社長はアクセスの「PLANET」を、どう説明しておられますか。
 北 大上段には「自社開発した、システム開発の総合的分析設計ツール」がPLANETです。
 ということなんですが、私はたとえて「医療機器のMRI」みたいなものだ、と言ってるんです。レントゲン撮影しかできないところへ、MRIを持ち込むようなもの。病巣の発見具合いが格段に差がある。

―それが独自開発となれば、これ以上の有力武器はありません。ただ『新しいもの』『画期的なもの』使い込めば非常に便利なものでも、世間というものはあくまで保守的、ともすれば拒絶反応に終始するケースが多い。これはあらゆる分野で言えることです。
 北 リ・バース元年、再生元年の精神の重要な事項として「PLANET」に経営資源を集中する、があります。

―折角の『世界に冠たるコア技術』なんですから、『普及させてなんぼ』のストック・ビジネスの拡大が進めば、経営も安定する。
 北 その通りなんで、中長期の経営戦略としても、これまでの当社のリスク管理の甘さ、プロジェクト・マネジメント体制の脆弱さの両面を踏まえ「事業戦略の洗練」「営業体制の強化」を打ち出し『再生元年』の大きな柱としております。

―また、リスクマネジメント体制の強化は不可欠の時代です。監査役のほか4人の役員がそれぞれ役割分担を決めましたネ。
 北 私が管理本部長といった具合い。小路口謙治代表専務がニュービジネス本部長で、山田欣吾取締役がソリューション本部長、河上 正取締役が管理本部長の副に座ってもらいました。そこで、アクセス・クレド(ラテン語の信条・主義)が出来上がるまでの課程が絵解きになっていますが『事業戦略会議』で長時間の検討を重ねて『再生プラン』を完成、これを社内発表したのが昨年9月29日です。

―社長陣頭のもとに『集中ワークショップ』は1泊2日ですか。
 北 それが11月実施。ついで事業戦略の具体化と新組織体制の発表は今年に入って2月下旬に。3月以降にCI委員会発足の上『企業理念』の洗練と施策の検討開始。やがてCI活動第1弾として「5月18日」『アクセス・クレド』を社内発表したわけです。

―それらを具体的に説明戴きましょうか。
 北 『企業理念』は「ビジネスを通じてお客様と喜びを共有する」

―『アクセスの約束』が目新しい。
 北 「挑戦を応援します」「あなたの挑戦を評価します」3ツ目が「挑戦での失敗を成功の一歩と捉えます」その姿に「5ツの行動指針」が続くわけです。

―さて『中期事業戦略』に関心がある。
 北 ごもっともですね。そもそも「パラダイムシフト」とは? 一般的に「世の中で支配的な考え方の変化」と言うことですが、ITサービス、システム開発においてもいくつかの変化が予想されます。「保守作業」は海外でやってもらい、開発分野は国内で――と今後5年後を見据えれば、そうした事態が起り得る。

―2007年問題をはさんで色々と変化が。
 北 国内の技術者不足を海外に求めることも。またオフショア開発の変貌も予想されます。

―ところで「資本の活用について」も一言。
 北 新サービスへの投資や、M&Aなど向けの投資、さらに「資金運用」は委員会を設置して運営します。

―最後に某誌の理論価格・割安425銘柄に入っていましたが……。
 北 今期予想必達への『激励』と受け止めています。「数値目標」は連結で、営業利益2億6000万円、経常利益3億1500万円、純利益1億7500万円です。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:03 | IRインタビュー
2007年05月22日

サンコーテクノの決算と今後の戦略

技術力と高収益で「高付加価値探求」を実現する
サンコーテクノ(3435・JQ)

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 コンクリートなどの構造物に、設備機器などを固定する、特殊ねじ「あと施工アンカー」。サンコーテクノ(3435・JQ)は、この、あとアンカーのトップメーカーである。

 このほど発表した2007年3月期決算は、売上高と経常利益が前年比増収増益で着地した。

 今2008年3月期は、本社の移転、環境へのよりいっそうの対応、耐震補強向け製品の本格的な業績寄与などを予定しており、売上高、経常・純利益とも、増収増益を見込む。

 技術力への定評と、高い成長力の両方を実現している、同社の今期戦略を聞いた。

●メリット多い本社移転

 サンコーテクノは今夏をメドに、本社を現在の東京・東日暮里の自社ビルから、千葉県流山市へ移転する。

 その目的について、洞下 実(ほらげ・みのる)社長は、
「社会的ニーズへの対応と、経営面のメリットを図った」
と説明する。
 ここでいう社会的ニーズとは、具体的には、少子高齢化への対応だ。
「少子高齢化に対し、企業として、何ができるか考える時代に来ている」と洞下社長は言う。

 もともと、流山市には、西深井地区に、同社の物流センターと、研究開発を行なうカスタマーテクノセンターが立地していた。その縁もあり、同市内の、TX(つくばエクスプレス)と東武野田線の『流山おおたかの森』駅前に、今年7月オープン予定の『ライフガーデン流山おおたかの森』内へ本社を移転することが決まった。

 建物は、鉄骨造7階建て、延床面積1万5000平方メートル。
 テナントは、企業オフィスのほか、商業施設、子育て支援センター(託児所)、医療モール、スポーツクラブなどが入る。千葉県初の官民協業施設という。

 こうした建物内へ移転することで、企業としては、社員が安心して子供を生み、育てながら働けるとともに、優秀な人材獲得・確保につながるというメリットがある。
 創業50周年となる2014年に「建設用ファスニング業界 世界ナンバーワン」を目指している同社としては、今後想定される人材不足に備える必要がある。ファスニングとは、建築・土木に使用する、留め付け部材の総称である。

 また、アクセスが良いことも決め手となった。東京・秋葉原からTXで30分。同社工場・中央物流センターからクルマで15分の立地。
 拠点を集約でき、コスト効率、内部統制、社内コミュニケーションの確保、節税を含めた経費削減など、経営上のメリットも多い。その分、製品の開発・製造という、本業への投資に集中できる。

●「三価クロメート」処理品へ切り替え
 環境対応と企業の社会的責任


 もうひとつの、今期のトピックスとしては、環境対応の一環として、「三価クロメート」処理(めっき)品への切り替えを、今年6月から順次、行なっていく。

 現行の「六価クロム」処理品は、『RoHS』(欧州連合による、電気・電子機器中の特定有害物質の使用制限指令)で「環境負荷物質」のひとつに指定され、使用削減が進んでいる。
 国内でも、自動車業界や電機業界では、脱六価クロメート処理品への移行を行なうところも増えつつある。

 同社は、業界シェアトップメーカーの社会的責任という観点から、また、海外市場をにらみ、業界に先駆けて取り組むことにした。
 短期的にはコストアップ要因にはなるが、リーディングカンパニーとして、良いことは一番に取り組むという考え方だ。業界全体への波及も狙っている。

 同社では、経営倫理・社内規範として、『STG(サンコーテクノグループ)モラル憲章』を作成、実践しており、そのなかでも、コンプライアンスや環境保全への取り組みを掲げている。

●今期「高付加価値の探求」を重点テーマに

 洞下社長は、今期戦略の重点テーマとして、「高付加価値の探求」を挙げる。

 理由は、グローバル化への対応だ。
 新興国・途上国と日本メーカーの競合が進むなか、高付加価値の技術、独自のノウハウ、人材を活かして、設計・開発・製造をしていく。途上国との競争に勝つには、高付加価値、多品種少量生産を行なうことが不可欠だからだ。

 もうひとつの理由は、需要への対応だ。
 同社製品の主要な需要先である、マンション、学校、病院などでは、新築・新設よりも、リニューアル需要が伸びている。
 とくに、耐震補強は、国内外で災害被害がクローズアップされるなか、喫緊の課題となっている。

 旧建築基準法下の耐震基準による既築建物は、壊して建て直すか、補強して耐震性を高めるしかないが、環境性・経済性を考慮すると、補強の需要が高い。
 この耐震補強技術は、日本発、日本育ち(研究開発)の技術に定評がある。

 同社では、「居ながら耐震」として、当該建物に、住みながら、あるいは営業しながら、耐震補強工事ができる技術・工法の一部と、それに対応した製品を開発した。つまり、振動やニオイや音をほとんど発生させずに耐震補強工事ができるのである。

 洞下社長は言う。
「ゼネコンや鉄道各社などから、ご依頼を受けて、研究開発した。難しい課題だが、われわれにご期待をいただいているのだと理解している」

 たとえば、東京駅の赤レンガの駅舎。赤レンガの建物を壊さずに、耐震補強を行なう技術が可能になった。
 また、東京駅・大手町駅地下街、JR山手線の西日暮里駅・日暮里駅の耐震夜間工事にも同社製品・工法が採用されている。
 ニッチだが、不可欠な、同社の技術が耐震補強工事を支えている。

●純利益減益ながら、
 実質増配を敢行


 前43期(2007年3月期)連結決算は、売上高170億8600万円(前年比4.4%増)、経常利益9億0500万円(同7.1%増)、純利益4億1400万円(10.4%減)、1株利益378円98銭で着地した。

 純利益の減益は、本社機能移転による減損損失を2億3500万円、計上したためだ。しかしながら、期末(年間)配当は前年と同額の75円とした。前年は75円に記念配当20円が含まれているため、実質増配である。

「技術開発の先行投資をかなりやっているが、それでも、毎期、計画通りの利益を出しており、自信をもって株主様に発表できる数字だと自負している」

 とくに、建築物・建造物の耐震補強工事について、同社が開発した工法・製品は、業界をリードしている。

 今44期(2008年3月期)連結業績予想は、売上高181億0800万円(前年実績比6.0%増)、経常利益9億6000万円(同6.1%増)、純利益5億2200万円(同26.2%増)の、増収増益としている。

●「日本のものづくり」で堅実成長

 今期はまた、耐震補強関連製品の受注が引き続き伸長していることに加え、新事業である、屋上断熱防水関連製品の伸長が楽しみだ。
 これまで開発を推進してきた分野で、今期からその成果を刈り取る時期に入る。

 同社製品をはじめとした、建築関係の製品は、製品開発から、建築物の設計、実際の製品導入まで、数年タームでの事業になる。

 このほか、同社の新製品『ストラタイト』が、「すごいネジ」というテーマで、テレビ番組で紹介・放映された。反響があり、大手企業を含めた各方面から、問い合わせや引き合いが来ている。
 これも、今後の伸びが楽しみな製品のひとつだ。

 投資家へ向けて、洞下社長は、
「着実に努力を重ね、知恵と汗で、日本のものづくりを推進していく。業績、株価とも、安定的な成長を図っているので、長い目で見て応援していただきたい」
とメッセージを送る。
 日本国内産業の空洞化が言われて久しい。同社には海外拠点もあるが、国内での研究開発とものづくりが柱だ。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | IRインタビュー
2007年05月11日

コニシ株式会社・福島功社長に聞く

高収益化のコニシ(4956・東1)

●原動力「新組織図」+ 会社の『意識改革』

sya1.jpg 「創業の祖、初代小西儀助氏は京都より出て大阪・道修町(どしょうまち)にて薬種商を開業、今日あるのは創業者はじめ先人の方々が進取の気性を持って品質第一≠モットーに、顧客志向を貫いたから」(創業120年史で、現コニシ鰹ャ西信一郎当時社長・現取締役相談役の刊行あいさつ)と。今回ボンドのコニシ≠ェ今年創業137年かつ脱創業家社長二代目福島功氏が社長4年目入り≠フ機会を捉え、その成熟具合を追ってみた。例によって、社長本人との繰り返しての面談と経営幹部への取材を絡めて、一問一答形式で再構成し直した。まず、故初代社長$X本昌三氏の思い出話から、本文に書き切れなかった事柄も含めて福島社長の開口一番は「ジャンプの年」であった。「しんどい仕事は先に片付けろ」とばかり、工場閉鎖などリストラ大作戦を展開、相乗効果の表面化に喜ぶ一方では「さびしい限りを体験」しつつ、今年思い切った機構改革≠ノ手をつけた。創業の精神・お客様中心の品質第一をスピード・アップ化のためだ。最近目に見えて利益率(額)が増加傾向に……。営業の成績≠ヘ他部門の水揚げも評価対象に切り換えたことで、空気が変わってきた。一方予算の必達化≠キメ込んだことで未達が減少、そこへ「意識変化」が加われば強い。中長期目標の「一株利益100円」「ROE8%」早期必達の気概が様変わりすれば株価2000円大台乗せもたやすい。福島社長の両腕ともいうべき大丸(おおまる)・小路(こうじ)両常務の「現場に性根を注入する」大仕事の仕上がりいかんによってはいとも簡単≠ネことでしかない。福島社長の後継手づくり≠ニポスト後継の育て方≠「かんにかかっている。「コニシ高収益化の秘密」は、若返り組織図≠ノあり!
(インタビュアと再構成は「編集工房サンナカジマ」主宰中嶋俊治)


sya2.jpg ――福島さんの社長業も「マル3年、4年目」に入っていることになります。
 福島 今年が非常に大切なんです。1年目は「助走」期間です。「ホップ2年目」そして「ステップ」の3年目を経て4月から今期に入って「ジャンプの年」に当たります。

 ――そこで大きく取り組んだのが、機構改革、組織改革図の作り直しです。
 福島 すなわち理解される組織≠ナなければならない。社長直轄トリオ≠ニして「社長室」「内部監査室」に加えて新たに「事業推進本部」を据えたわけです。

 ――それぞれの「長」を社長直轄下に置いた。
 福島 従来の「ボンド事業本部」の営業・生産・研究の横串≠通して「三位一体」としたこと、さらに「化成品営業本部」を加えて四位一体$略の遂行をやり易くしたわけで、それらを包括する「事業推進」の責任者にボンド事業本部長を据えました。

 ――スピード・アップのほどが窺えます。
 福島 これすべて「お客様志向」のためなんです。いままでともすれば「内向き志向」が幅をきかせていた社内を、徹底的に「顧客志向」に改革してやろう、と。

 ――それは素晴らしいことです。社長の両腕≠ニも称すべき組織図が完成したことになる。
 福島 新設の「事業推進本部長」に大丸智夫常務を、管理本部に肉付けした「社長室長」に小路(コウジ)英敏常務を。組織に魂を吹き込んで始めて「完成」したことになる。

●株価は中長期目標で「3000円大台指向」

 ――福島社長の経歴もモノを言います。
 福島 営業が大半ですが「人事」を経験したことが大きい。当時の若手が現場の最先端に散らばっており彼らの考えがわかるし情報が入手しやすい。

 ――それをベースに繰り返し説得術≠駆使すれば、言うことなし?
 福島 繰り返し運動にパッションを味付けして、といったところでしょう。何しろコニシは創業137年≠フ伝統に裏打ちされた会社ですから。

 ――創業当時の資料をひもといて今回読み込んで驚きました。アサヒのビール・サントリーのウイスキー≠フ本家筋だそうで。
 福島 わが社は株式上場で生まれ変わりました。私の代になって「ちょっと触れる【こと】」で即効がでてくるようになったことは嬉しいですよ。社内の意識が急ピッチで変化している。

 ――具体的に。
 福島 「予算」の出方が変わってきた。「売上高よりも利益の上目数値」が出てくるようになったこと。

 ――最近、証券系のレポート上で「株価1500円目標」などとでていましたが私の見立てはこんなもんではありません。
 福島 ハッキリ言って……。

 ――2000円大台替え後、中長期目標の数字の出来いかんで「3000円大台指向」とにらんでいます。
 福島 嬉しいご託宣、全社一丸で努力します。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:51 | IRインタビュー
2006年12月21日

因幡電機産業の守谷承弘社長に聞く

因幡電機産業(9934)守谷承弘社長に聞く

攻めの『成長拡大路線』へ

inaba1.jpg 伊勢丹だけがなぜ売れる? 一人勝ちの秘密・特集をテレビが派手に放映している。冬場でも水着を売ります、という常識を破る挙に出るところが伊勢丹な人々≠魅きつけてやまない。
 たとえば「おせち産業」を340億円市場に変身させてしまう一方、チョコレートを「600億円産業」に化けさせ、ひとり伊勢丹にとどまらずデパート業界そのものに一大貢献をやってのける。そうかと思えば男のこだわり≠ノ眼をつけるやワンフロアをブチ抜きで「メンズ館」に切り換えてしまう。あれもこれもに超越するのが「常識打破」と「徹底した現場主義」との事。
 この点「継続は力なり」を社是に1枚加えても良いような因幡電機産業梶i9934)守谷承弘社長の経営哲学が「現場主義」である。社長就任以来、一貫して心がけてきたところだ。堅実一本ヤリの社風から「攻めの拡大成長路線」への転換を可能にしたのも、おそらく氏の現場百回(百戒)$ク神の賜物だろう。そのための布石は何が必要か?を学んだのも、先輩の継続は力なりを押し通した「お客様第一」『親栄会の賀詞交歓総会』にあったようである。
 中期計画の繰り上げ実現続きで、早くも「新・中期経営計画の策定」を迫られている。時あたかも1938年4月に因幡電機製作所として創業以来、今〜来期にかけて創業70周年≠フエポックに突入する。「わが社だけの最大特質高収益構造=vに、より磨きをかけるためにも「自社製品」開発を急ぐ必要がある。
 いくつかの重点的施策に加えて「開発研究所の新設」もぜひとも実現したいところだ。創業者精神を改めて確認するためにも「イナバ・スクウェア」のリニューアルも日程に上ってこよう。以下、数次にわたる首脳陣との面談および過去歴代社長たちの志と言葉を想起しつつ一問一答形式に再構成した。因幡電産という会社のかたちが変わった局面から新しい成長株の芽が生え始めたのではないか。行間からそれをキャッチいただければ幸いである。
(インタビューと再構成は「編集工房 サンナカジマ」主宰中嶋俊治)


ただ今「最高」を追求中
「新中計」視野に自社製品拡大急ぎ「研究所」も

inaba2.jpg ――因幡電産の中期経営計画について。目先の決算数字はここでは触れません。中計の繰上げ上方修正にこそ大いに関心がある。
 守谷 目先についてはあちこちで多く語られてますから。このIR対談≠ナも前々回、前回と「最終の平成22(2010)年は2000億円売上高に対して経常利益100億円説をうかがった。紙面にもそう反映してもらったんでした。

 ――上方修正と繰り上げ実現で、ここへきていかにも現実味を帯びてきたとにらんでいますよ。
 守谷 いやいや先はまだ長くて道中何が起るかわかりませんから、毎期気を引き締めてやっていかなくては。

 ――その堅実さが受けるんですね。期中修正はもちろん「上方」だ。ただいま「最高」を随所で追及中、といった会社の勢いを感じるんですが……。
 守谷 おかげさまで株価は今年1月史上最高値を突破しました。売上高の最高抜けも射程圏に入ってきましたので早晩「最高追求」の仲間入りです。
 公式には1900億円目標ですがいよいよという感じです。

 ――そこで「会社のかたち」を変える、から「変えた」という経営転換がハッキリしてきた。
 守谷 わが社の事業特質を本格的にご理解いただく局面にきた、と。グラフの絵解きにありますように、売り上げ構成と利益構成が「卸売業」と「製造業」に現れています。製造業は売上高の16%しか占めていないのに利益の70%をたたき出しています。

 ――攻めの拡大成長路線へ転換した大きなポイントは?
 守谷 最大のものは自社製品の拡大≠ワずは300億円、さらに400億円、500億円と先の夢を現実のものに変えねば。
 ――そうすると、新・中期計画を早くも射程に入れて、ということでしょう。
 守谷 これまでの繰り上げ達成の現実から見ると、M&Aも考慮に入れつつ、創業70周年に向けての新中計に取り掛かる必要を感じますね。

 ――楽しみにしていますよ。エポックになる話題を含めて、新春の親栄総会での社長の挨拶にますます興味が湧く。
 守谷 挨拶の中身よりも、また親栄総会の話に移りますが、思えば1954年1月全国得意先、販売店を会員とする『因幡親栄会』を発足、第1回総会を開いた。先輩のご苦労というのはこのときからずっと続いているわけですね。私もまた継続は力なり≠ナす。

 ――シンエイセミナーに人を得ると、一段と忘れられないものになる。青山さんのような超売れっ子と継続していくのも一つの手ですね。
 守谷 少なくとも2007年のセミナーは連チャンですから、皆さん期待が膨らんでおられる。もう一つ、記念事業に、開発研究所の建設も是非と私の胸の中には強いものがあります。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:00 | IRインタビュー